新たな「テロ戦争経済」の第二幕がはじまる No.51【2004年11月5日】
■やはりストーリーテリングされていた大統領選?
どうやら出来レースのお祭りは終わったようである。民主党大統領候補ケリー氏は、私の直感だけれど、やはりブッシュの引き立て役以上の強い執着心を、今回の大統領選に抱いていなかったような気がする。どこかで説得力に欠けたやる気のないケリー候補は、反ブッシュの批難をやわらかく吸収し、アメリカ国民のやり場のない不満と政治参加の実感をアメリカ国民に与えるがために、どうしても必要とされたガス抜きマリオネット役を演じていたに過ぎないような気がしていたのだ。
すでに闇の勢力によって、大統領は決められてしまっているというような非民主的な世界のからくりのことは、口が避けても絶対云えない。アメリカ合衆国は、自由の女神に象徴されるように、あくまで激しい接戦を最後まで演じる大統領選劇が行なわれなければ、自由と民主主義の国であるという建前の化けの皮が剥がれてしまうからだ。アメリカの軍隊が最強であるあいだは、米ロックフェラー家や英ロスチャイルド家は、アメリカの国益のためと称して、アメリカを骨までしゃぶり、とことん利用し尽くそうとしているようである。
そんなわけで大統領選が近づくと同時に、ビン・ラディンの所在に関するニュースが幾つかまことしやかに流れてきたり、またビン・ラディンの「テロ予告声明」のビデオテープがカタールの衛星放送アルジャジーラを経由して、あまりにもタイミングよく放送されたりしたのかもしれない。どう考えても計画的に相当前からストーリーテリングされていたとしか思えない出来すぎた流れである。
つまり、妙にボロが次から次と出てくるわりには、ブッシュ陣営が妙に落ち着いていた理由がここにあったといえる。「ビン・ラディン逮捕」ではなく、「ビン・ラディン逮捕の発表」によってその可能性を匂わせたり、ビン・ラディンのビデオテープによって「新たなテロの可能性」を匂わせることで、アメリカ国民に、もう一度911同時多発テロの恐怖の記憶を蘇らせたりして、戦争好きなブッシュの野蛮なカウボーイスタイルを支持させるように、国民をうまくコントロールしたのである。
911テロの恐怖を再び刺激されたアメリカ国民は、結果的に、単純で強そうに見えるブッシュにすがりついたわけである。やはり今度もいつもの広告代理店にビデオの製作を依頼したりして、ブッシュ政権がお得意とするヤラセビデオだったのだろうか…。
やれやれ
もちろんアメリカ国民はそのことをはっきりとは意識していないのである。本能的に行動しているだけである。ブッシュ政権はそのことを知り尽くしているのである。アルジャジーラ経由のビン・ラディンのビデオテープを大統領選の
4 日前に流したことは、私に言わせれば、怪しいところがミエミエなのである。国防総省のラムズフェルドは、今までアルジャジーラの報道は国内の安全保障を脅かされるといって散々圧力をかけてシャットアウトしていたのに、今回に限って主要メディアすべてが、すんなりとテレビで流しているのである。本当に不思議な、怪しい流れである。
■ジェンキンス氏の巧みな判決のタイミング
それと大統領選に絡んで、もうひとつ気になる流れがジェンキンス(64)さんの判決である。アメリカが大統領選で大騒ぎしている、まさにその間隙を縫うようにして軍法会議が3日、在日陸軍司令部キャンプ座間で開かれ、「脱走」と「敵への支援」を有罪として、禁固30日の刑という普通では考えられない軽い刑が言い渡された。
イラクで武装勢力との激しい戦いを続けるブッシュ大統領にとって、このタイミングを逃したなら、二度とこのような司法取引を実行できる日は来なかったにちがいない。イラクのサマワへの自衛隊派遣継続を約束したポチ小泉総理に対して、ブッシュ政権のパフォーマンス効果の高いお返しといえる。この3日という大統領選発表時期なら、アメリカの主要マスコミはまずこの判決に触れないからである。
■香田証生さんの「自分探しの旅」
そして最後に、香田証生さんがイラクの武装集団によって殺害された悲惨な事件に、少しだけ触れたい。本当にやり場のない悲惨な結末である。香田さんの御両親はプロテスタント系の宗教組織に所属していたようである。その組織である日本基督教団は10月27日、自衛隊の即時撤退要求を出していた。(
参考記事
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その流れからイスラエルに行った理由も考えられるし、またイラクへ向かったのも同様の流れが考えられ、100ドルしか持ち合わせがなかった故に、もしかしたらキリスト教関係者と待ち合わせる約束ができていた可能性も考えられる。香田さんは日本を出る前、友人に「自分探しの旅に出たい」と語っていたそうである。ニュージーランドからイスラエルを経て、ヨルダンのアンマンに入り、ホテルマンが「危険だから」と止めるのも聞かないで、所持金100ドルだけを持ってイラク行きのバスに乗り込んでいる。
平和ボケから目覚めるために、実際のイラクで何がおこなわれているかを、テレビも新聞も伝えてくれないありのままの真実の世界を、自分の目で確かめようとしたようである。お茶の間に座ってTVの前で何もせず、何も感じない多くの日本人のひとりでいたくなくて行動を起したのかもしれない。イラクと日本は、ともにアメリカとの戦争に敗れた国である。敗戦後、歴史を奪われた日本人にとって、確かに、今のイラクは「失われた記憶」を取り戻す最高の場所でもある。もしかしたら香田青年は、自立できないで方向感覚を失ってダッチロールを繰り返している「今の日本」を象徴しているのかもしれない。
911の同時多発テロは、1941年12月8日の真珠湾攻撃と重ね合わせてアメリカの主要メディアでは何度も報道されているし、イラクや湾岸戦争時に使用された劣化ウラン弾による被爆やガンの増大は、広島と長崎に落とされた原子爆弾の惨事を連想させもするからだ。(
参考記事 )
いまブッシュ政権を後押しする親リクード派は、キリスト教原理主義をうまく取り込んでいる。彼ら狂信的な信者は、「最終戦争」を体験しなければ天国に行って救われないと本気で信じているから、中東での核戦争を待望し、ブッシュ政権の軍産複合体による「テロとの戦争」を強く支持しているのである。
《主な参考文献および記事》
(本記事をまとめるにあたり、次のような文献および記事を参照しました。ここに、それらを列記して、著者に感謝と敬意を表すると共に、読者の皆様の理解の手助けになることを願います。)
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日本人よ平和ボケから目を覚ませ
十返舎玉九
『終』
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