戦略なき究極の八方美人、「和」のシーパワー国家日本 No.42【2004年7月25日】
米英のイラク先制攻撃に隠された「もうひとつの理由」
米軍が進める海外駐留米軍の再編(トランスフォーメーション)で、アメリカ軍がグアムの第13空軍司令部を横田基地の第5空軍司令部に統合する構想が明らかになった。第13空軍は、中国を含む太平洋やインド洋の空域を管轄し、横田基地に朝鮮半島などを除くアジア太平洋の司令部機能を置くことになる。そして米陸軍も、ワシントン州の第1軍団司令部をキャンプ座間へ移す構想を持っており、海軍の横須賀基地を拠点とする第7艦隊、沖縄の第3海兵遠征軍を含め、日本をアジア太平洋の軍事作戦上の基軸(ハブ)と位置付ける思惑が鮮明になった。すでに横田基地には、第5空軍司令部があり、また、空軍としては太平洋で唯一の空輸航空団でもあり、指揮機能と物質輸送の拠点となっている。
グアムのアンダーセン基地に司令部がある第13空軍は、
B52 爆撃機6機と空中給油機を持つ。世界最大級の空軍給油施設も備え、米本土の爆撃機などの補給拠点になっている。これが統合されるわけだから、第5空軍司令部は、アフリカ東岸までの広大な空域での哨戒活動など平時の任務や、人事管理などについて責任を負うことになる。ようするに、「いつ、どこに現れるか予測できない」テロの脅威から、アメリカ国民を守るために、テロリストの反撃ターゲットとなる軍事施設の中枢を、アメリカの不沈空母に見立てた日本に集中させるつもりなのである。
日米安保条約は、米軍の駐留目的を「日本と極東の安全、平和のため」(6条)と定めている。ところが第13空軍司令部の管轄範囲は、アメリカ東岸までだが、日本の外務省は、「主たる任務の実態が極東の安全、平和のためであれば、ある時、ある部隊が他の地域へ移動しても問題ない」といった具合に、うまく誤魔化している。キャンプ座間に移転する計画の第1師団は、アジア太平洋全域を管轄する。そして横田基地の在日アメリカ軍司令部を、キャンプ座間に移し、アジア太平洋全域を管轄する新たな司令部案もあるようである。
日米両政府は15日、サンフランシスコで開かれる外務・防衛両省庁の審議官級の協議で、アメリカ軍のトランスフォーメーションについて正式な協議に入る。国防総省によると、実際に部隊の移動が始まるのは「05年末か06年はじめになるだろう」と述べている(参考記事
asahi.com7/15 )。
これらの一連のアメリカ軍の再編から考察すると、アメリカは本格的に中国包囲網を構築することで、アメリカのアジアの覇権維持と、と同時に「戦争ビジネス」で大儲けしようと企んでいる。中国を完璧に封じ込めておかないと、中東を含めたアメリカのドル機軸体制とアメリカの単独行動主義(ユニラテラリズム)が崩壊してしまうと考えているようである。
江田島孔明氏が“迫りくる「米中開戦」”の記事の中で指摘しているように、その最も重要な隠された要素として、中国が有人宇宙飛行を実現させたことがあげられると思う。これは、つまり高度なICBMの実用化を意味する。いま一番アメリカが恐れているのは、中国のそのミサイル技術が、中東諸国やイスラム原理主義勢力に売り込まれることなのである。すでに流出している核兵器と中国の弾道ミサイル技術が結びついてしまうと、ユーロと同様に、アメリカの世界覇権のバランスが完全に崩壊してしまうのである。
ようするに、ここにもイラクに先制攻撃を仕掛けなければならなかったアメリカの隠された「もうひとつの理由」が存在していたのである。もちろんその流れの裏側には、どうやら反アメリカ勢力としてのEUと中国とロシア軍事同盟による「ランドパワー枢軸」の動きが水面下で静かにゆらいでいるようである。このことを日本のマスコミや評論家はまったく触れていない。ほとんどはそこまで知識を持たないのが現実なのかもしれない。しかし一部の御用学者や情報工作員は、まったく逆の撹乱情報を流している。
世界占領計画の拠点となる日本?
とにかくアメリカにとって、戦争ほど素敵な商売はないのであり、儲かるビジネスの究極のスタイルが戦争であると信じているのである。戦後の日本人的感性からはかなり距離感があるかもしれないが、それがアングロサクソンの思想なのである。中東での戦争は、ドル機軸体制を維持するためと「大イスラエル主義」を実現するために、多少儲からなくとも総力戦で戦う以外に手はないのだが、アジアの方はそれに比べたらとても美味しい市場である。
どちらかと言えばアメリカ好きのミーハーな金正日は、イラクのフセインと同じように「ならず者」役をバッチリ演じてくれたお陰で、日本に対して馬鹿高いミサイル防衛(
MD )システムを売りつけることに成功している。以前に書いた筆者の コラム
No.33 のサブタイトル“北朝鮮の脅威を煽って得をするのは誰” で少し触れて、竜川(リョンチョン)駅で起きた列車追突爆破事故は、金正日が起こした可能性が高いと書いたけれど、どうやら金正日体制の軍部と書記長は一枚岩ではないようで、核交渉を推進させようとする金正日を「追突爆破」で軍部が脅して、そういった流れを牽制する動きだった可能性が高いという説が、どうやら実際にあったようである。
13日付けの英サンデー・テレグラフによると、現場で粘着テープの付いた携帯電話が発見されており、爆破に利用された可能性があるという。そして北朝鮮当局は、再発を懸念して携帯電話を禁じ、ビジネスなどで使われている約1万台を押収したらしい。
ようするに北朝鮮の金体制は軍部と一体ではなく、金正日の核やミサイル問題で対米に歩み寄る流れが、「軍部」には許せないということらしい。確かに、そういった視点で解釈すると、日朝交渉が始まった矢先に、国交交渉を邪魔するかのように北朝鮮の工作船が何隻も日本近海に出没した経緯も、とてもわかりやすくなってくる。恐らくその裏側には
CIA の工作員等も暗躍していたにちがいない。そういった日本の周辺ばかりか、日本国内にも、アメリカや中国や韓国や北朝鮮等の利益をばかりを考えている言論人や工作員がうじゃうじゃ徘徊しているのだ。
例えば榊原英資氏や竹中平蔵氏や木村剛氏や小泉純一郎のように、いかにもアメリカ資本のエージェントだとすぐ分かる連中から、必ずしも明瞭にわからないエージェントまで百人十色の状況といえる。日本国内にどうして肝心な日本民族の歴史と利益を守ろうとする言論人や作家が、ほとんど皆無なのは一体どういうことなのだろうか。 あーぁ、またしても溜息が出てしまう。
とにかく“戦争ほど素敵な商売はない”を象徴するような極東アジアに於けるアメリカのビジネス戦争戦略の基本は、日本を「軍司中枢」として、台湾や韓国の軍事増強をはかり、中国に対する包囲網を固めることにあるようである。アメリカの意志を述べるなら、韓国は、北朝鮮崩壊後を見すえて、とりあえず韓国軍の「自主国防」のために海軍・空軍力を大幅向上させて、朝鮮半島統一後の『中国』に対する戦力増強にあたらなければならないらしい。もちろん北朝鮮が相手なら、ほとんど無用の代物である。
あくまで中国北部に対する牽制として、アメリカから見て韓国軍の望ましい韓国増強フォーメーションは、アメリカ製の最新鋭装備であるイージス艦や
F 15ストライクイーグル侵攻請攻撃機等による海軍・空軍を主体とするもので、その主眼はあくまで北朝鮮などではなく、中国やロシアとの対峙を意識したものである。北朝鮮体制の打倒は2006年以降であり、金正日率いる北朝鮮亡き後も朝鮮半島にアメリカ軍は引き続き駐留し、『中国攻略』ために、朝鮮半島北部に「地上軍」を展開させておく。朝鮮半島に置く地上軍は米軍だけでなく、
NATO 諸国やオーストリア、もしかしたら日本の自衛隊も駐留することになるにちがいない。
そして台湾に対しては、アメリカは最新武器供与を積極的に進めている。ミサイル防衛能力を持つパトリオットPAC
3 であり、さらにはP3C哨戒機12機や最新鋭ディーゼル潜水艦8隻やキッド級ミサイル駆逐艦等を供与することを、アメリカ政府は決めている。台湾政府は総額180億ドル(約2兆円)もの武器購入予算を組むことで、上記の最新鋭機の導入を進めようとしている。これは韓国の大規模な自主国防計画と負けず劣らずのもので、巨大国防プランといえる。
もちろんこれは中国軍がロシアの最新鋭兵器、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦やキロ級潜水艦等を購入して、着々と軍事力増強を進めていることに対する、台湾側からのわかりやすい回答なのである。そんなわけで、台湾とアメリカの軍事協力関係はここに来て国交断絶以来急激に深められようとしている流れである。こういった流れから中国は、北部で韓国、南部で台湾、そして中央部では日本と在日米軍という恐るべき軍事力再編と増強に直面する形になってしまう。そして最後に日本を、アジア太平洋に於ける頭脳と情報の拠点(コア)にする憶測がなされ、アメリカは自衛隊との連携を深めると明確に言っている。
しかし私には、どうも胡散臭くてしょうがないのだ。ようするに、こういうことじゃないのか。イラク戦争の泥沼化で、アメリカは中東で莫大な戦費を毎日消費している。イラクでは2000億ドル以上の戦費をすでに消耗し、いまもイラクで13万人の米軍を駐留させ続けているために、年間600億ドル(約6兆6000億円)以上の経費が消費されているのだ。イラクやアフガン等の対テロ戦争の兵力と戦費捻出のために、今のアメリカは火の車なのだ。在韓米軍の縮小も、その影響をモロに受けているにちがいないのだ。
ところが、米軍にとって日本の場合はまったく事情が違うのだ。世界でも他に例のない米軍駐留経費負担をあてこんだ、ちゃっかり経費削減戦略以外の何物でもないと考えた方が正解のような気がする。グアムや沖縄より、日本の首都圏の方が家族等を住まわすのに都合が良い。彼らは基地内で、アメリカ本土より安く食料や日用品を購入でき、基地内のライフラインのコストはすべて日本政府持ちである。日本国民の税金を湯水のごとく使った上に、こともあろうに首都圏に外国軍を駐留させ続けて文句を言わない国は、世界広しといえど、おそらく日本以外では、事実上占領下に近いアフガンとイラク以外には考えられない。
確かにラムズフェルドは、海軍は金食い虫で時代遅れだと考えているようだから、マラッカ海峡から沖縄までの制海権を日本の空母で自主的に運用してほしい、とすでに考えている可能性が高い。そして兵力はできるだけ中東に集中させたいと考えているにちがいない。基地と武器だけは戦力アップし、兵力は削減させたいようである。
とはいえ「日中戦争」は2010年以降にすでに織り込み済みのようで、あわよくば、ソ連を崩壊させたやり方で自滅させることをアメリカの軍事関係者は企んでいるようである。つまり、徹底的に軍事圧力をかけて軍拡に引きずり込み、財政を疲弊させてしまうやり方である。さらに日本やアジア諸国に対してやったとまったく同じやり方で経済をバブル化させておいてから、一気に資本を引き上げてしまうあのいつものやり方で中国経済を再起不能にしてしまう構想のようである。もちろん民主化運動をCIA等が裏から支援して、地域を分裂させ、最終的に中国をいくつもの小さな国に解体してしまう戦略といえる。
中国が弾道ミサイル技術を中東やイスラム原理主義勢力に売り込もうとする「意志」が存在する以上、「米中戦争」は2010年辺りのどこかで必ず起きてしまう可能性が高いようである。中東に於いて「大イスラエル主義」や「ドル機軸体制」を推進かつ維持することがアメリカにとって重要であればあるほど、東シナ海の制海権確保が大切になってくる。
なぜなら、もし台湾や日本が中国に取り込まれてしまうと、アメリカの中東での覇権戦略そのものの「大儀」まで、その輝きを失ってしまうことになるからである。そんなことを、ブッシュ政権を乗っ取ったネオコンが許すはずがないのである。いまアメリカが中国に甘い顔をしてみせているのは、中東があまりにも混迷し泥沼化していて、いまはアジアにまで細かく気を配る余裕がないからといえる。そしてとりあえず「経済」がまだ成長を続けているからである。
やはり日本もシーパワーの「海洋国」
EUに参加しながらも、アメリカと一体になって行動しているように見えるイギリスもシーパワーの海洋国で、「EU諸国」の中でキャスティングボード的な役割を演じる不思議な国である。ここでイギリスを例に出したのは、つまり日本もシーパワーの海洋国で、「アジア共同体」に加わって共に経済協力をしながらも、一方でアメリカと共同して集団的自衛権を行使して東シナ海の制海権確保を自衛隊が行なっていく方法も考えられるからである。中国は、東シナ海の資源独占と沖縄諸島への武力侵略を虎視眈々と狙っており、急激に軍拡を行なっている。
こうしたマラッカ海峡等の日本の周辺地域、あるいは日本の安全保障に関わる死活的地域を守るために自衛隊を派遣し、アメリカと共同戦線を張ることに反対する日本人は少ないと思う。そのための周辺事態法(ガイドライン法)や有事法制なら、私も反対はしない。ところが小泉純一郎のやろうとしていることは、中東やアフリカ等の日本からはるかに離れた地域でアメリカの覇権維持のための侵略戦争のために、集団的自衛権という名目で自衛隊を派遣できる流れをつくることでブッシュ政権に媚を売っているのである。
2000年10月に発表されたアーミテージレポートは、日本に対してイギリスと同じような軍事的コミットメントを求めてきている。ようするに自衛隊の中東シフトである。小泉純一郎は、戦後の歴代政権が唯一やらなかった、アーミテージレポートをそのまま受け売りすることで、『日本をアメリカに売り渡す』ことを目的とした政権なのである。だからG8サミットで小泉首相は日本国内の議論の前に、多国籍軍への参加をブッシュ大統領にすんなり確約し、既成事実化しようと企んだのだ。
小泉純一郎のような軽薄な人物に、国家の根幹に関わる集団的自衛権問題をゆだねてしまったら、なんの歯止めもなく世界中でアメリカの「テロとの戦争」のために自衛隊が引きずり回されることになってしまう。もし将来的に集団的自衛権を行使するとするなら、その時には集団的自衛権の法的行使の「対象地域の限定」が必ず必要になる。あくまでアジアなどの日本周辺地域に限定し、それ以外の地域では最低でも「国連決議」を前提とする等の歯止めが絶対に必要なのだ。
日本民族と国家の将来を踏まえて、先ほども触れたように、究極の八方美人をあえて演じて、戦略なき「和」の精神を生かしたシーパワー国家を選択する方法である(笑)。アメリカと安全保障を結びつつ、EUや中国やロシアをカウンターステアとして、エゴイズムむきだしの横暴なアメリカを牽制するために巧みに利用するわけである。中国の弾道ミサイル技術とイスラム原理主義勢力が絡んでしまっている以上、日本民族としての現実的な選択は、やはりこれが一番合っているように思うのだ。
そろそろ危ない中国経済から
ASEAN にシフトの時期
こうしたアジア米軍の再編の新たな流れを踏まえると、日本の企業は、そろそろ中国からいつでも撤退できる体制を整えておいた方が賢明といえる。不動産ブームも金融抑制によってかなり去りつつあり、すでに投機筋が金を引き上げているのではないかと言う疑念が生まれつつある。中国で今まで進行していたのは巨大な賭博ゲームであり、投機家にとって中国が魅力を失えば、あっという間にカネは移動を始めてしまうのだ。
毎月発表される中国の外貨準備高は、すでに2ヶ月遅延しているようである。日本、シンガポール、香港、インド等の中央銀行はすでに5月の集計を公表しているのに、中国は3月分公表のまま次の発表を見送っているという。おそらく異常事態が発生している可能性もある。年末から年始にかけて中国は外貨準備から中国銀行の不良債権処理のために公的資金を注入した。その資金たるや450億ドル(約4兆9500億円)だったという。その一方で中国から海外に投資したという不思議な金額が300億ドル(約3兆3000億円)を超えたという発表がある。そのシナリオはいろいろ考えられるが、その第一の可能性は「海外への資本逃避」である。
その上中国の乗用車販売台数や鋼材消費が30%ダウンしていて、自動車ローンの半分がすでに滞納しはじめている。4月からの急激な金融引き締め政策で、自動車ローンが組めなくなり、融資が受けにくくて苦情が殺到しはじめている。実際には、ローンでも購入できない層が多いようである。それなのに日本のマスコミやメディアは、まだまだ中国はこれからだと煽り、中国投資や中国株のへの投資を推奨している。日本のバブル崩壊前夜とまったく同じ構図である。
サンタモニカを拠点とするシンクタンクであるランド研究所はすでに中国経済の崩壊をすでに予想し、80年代の日本にあまりにも酷似していると主張している。そして韓国に対しては、アメリカ資本は、1999年には106億ドルの直接投資をしていたのに、2003年にはなんと12億ドルへと10分の1に激減し、もはや韓国経済を見捨ててしまったかのようである、と分析している。
日本の企業も投資家も、中国と韓国から脱出して、タイ、インドネシア、カンボジア等のASEANにシフトすべき時期に来ているようである。とくにタイの国境地帯に工場を設置すれば、十分に中国に対抗できる安価労働力を確保することが可能という。世界経済の時流に敏感なキャノン等はすでに中国からの撤退を加速していて、タイやASEANに拠点をシフトしている。国際金融勢力が売り逃げた後の中国の莫大な不良債権を、またしても日本の銀行が掴まされる仕組みになっているようである。 やれやれ
UFJ 、三菱東京と統合の「隠された意味」
経営の建て直しを竹中平蔵に迫られていたUFJホールディングスは、7月14日午前、臨時取締役会を開き三菱東京フィナンシャル・グループへの統合申し入れと、すでに合意していた傘下のUFJ信託銀行の住友信託銀行への売却白紙撤回を決議した。この統合は、竹中平蔵の後ろで糸を引いている国際金融勢力の乗っ取り戦略からうまく逃れたように巷では受け止められているようだが、本当にそうなのだろか。
アメリカ系の国際金融勢力は、そういった流れをすべて織り込み済みで動いていたような気がして仕方がないのだ。三菱自動車や三菱ふそうに対する過激なまでのマスコミバッシングは、知らず知らずのうちにこういった流れに持っていくための、国際金融勢力による「呼び水」だったような気がするのだ。
No.38のコラムのサブタイトル国際金融勢力による「トヨタ」と「電力会社」の乗っ取り
で触れたように、国際金融勢力は「トヨタ」を乗っ取るために、不良債権処理を加速させるように追い込んで、すでにUFJの改造計画が進行していて、竹中平蔵氏による支配が相当強まっていたのである。
相沢、森両氏が外され、五味広文監督局長が長官に就任することで、アメリカに追従する小泉純一郎の信頼厚い竹中体制が固められたいま、UFJを握ってしまえば、トヨタの「企業秘密」や「部品メーカー」をコントロールして、GMをはじめとする米自動車連合が、今度こそトヨタを窮地に追い込むことができるのである。東京三菱がUFJを救うことで、逆に今度はトヨタが三菱自動車を助けることになる。
一見するとめでたしめでたしなのだが、その裏には金融庁の竹中平蔵が涎を垂らして待ち構えていて、三菱東京の赤頭巾ちゃんはうまく乗せられて、骨の髄までしゃぶられてしまう可能性大なのだ。 やれやれ
アメリカ大統領選の行方と「歴史に残る事件」の勃発
現在のように、ブッシュ政権に都合の悪い情報がどこからともなく流され続けるとしたら、ブッシュはよほどのことが起きない限り形勢を逆転するのはかない難しい。ジョージ・ソロス系の資金がケリー大統領候補とエドワードのコンビの方に相当に流れてブッシュ大統領に迫ってきているようである。ケリーも最近はイスラエル支持をはっきりと打ち出してきて、ブッシュ政権とほとんど同じ政治スタイルに変身してきているようである。ブッシュ・ドクトリンを激しく批判してマスコミの時流の流れに同調しながらも、いつのまにかケリーは民主党的な流れからかなり離れて、タカ派的な発言を繰り返してイスラエルに味方し、キリスト教右派さえも、今にも取り込んでしまいそうである。
もっともケリーも、ブッシュ大統領と同じ「スカル・アンド・ボーンズ
(Skull and Bones Society)」という組織の先輩後輩の間柄で、「世界を操る」ことを目的とした秘密結社のメンバーなのだから、政治スタイルなんて、もともとパフォーマンス以外の何物でもないのかもしれない。ようするに硬軟を状況によって使い分けるシオニストたちにとって、どちらがとりあえずの戦略に重宝するかで、国民の人気など何の関係もなく大統領の行方が決まるわけである。
ようするに、それ以上でもそれ以下でもないのだ。イラクの民主化の泥沼化は、「大イスラエル主義」のためのネオコンのミッション(任務)だったともいえるのだが、そろそろ何処かでアメリカは究極のサプライズを演出して、中東状況を引き締めなければならない、と考えているように思う。中東やイラクでの長期的な兵力戦だけではアメリカの特徴を出すことはできないのだ。今のところ、アメリカの明確な優位は「核」にしかないように思われる。
ということは誰が大統領になるにしても、アメリカ本土か中東の何処かで、大統領選の前に、アメリカが「核」を使って反撃しても「大儀」が得られる「歴史に残る事件」が起きなければならないことになる。その「歴史に残る事件」が起きることで、アメリカは再び世界から「正義の戦い」を取り戻すことが可能となるわけである。なんとも過激な予測で、申しわけない。
《主な参考文献および記事》
(本記事をまとめるにあたり、次のような文献および記事を参照しました。ここに、それらを列記して、著者に感謝と敬意を表すると共に、読者の皆様の理解の手助けになることを願います。)
★
宮崎正弘のニュース・早読み 通巻 第851号
★
海洋国家日本の21世紀地政学戦略 18
★
大田述正コラム#414
『終』
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