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TV映像付きイラク邦人人質をめぐるメディア報道 No.302004年4月12日

すべては小泉純一郎の責任

4月 9日、東京株式市場は、イラク日本人人質事件のニュ−スで急落した。日経平均の前日比下げ幅は一時200円を超えた。このところ好調だった株式市場が、まちがいなく小泉政権に打撃を与える事件になると危機予測しての素直な反応である。小泉純一郎が独りよがりに抱え込んだリスクを市場は見抜いているのである。今まで私が何度も繰り返し言ってきたように、アメリカの占領軍の占領当局(CPA)の管制下で行動しているわけだから、日本の自衛隊は、アメリカ軍の一部であり、イラクにおける人道支援が目的であるとどう言いわけしみても、アメリカ侵略軍の下部機関であることはまちがいないのだ。

この事実を無視して小泉首相は、「非戦闘地域に人道支援として自衛隊を派遣するのだから、憲法上なんの問題もない」と強引にいい続け、インチキなイラク特措法まででっち上げてサマワに自衛隊を送り込んできたのである。今まで長い年月をかけて日本が築きあげてきたアラブ諸国との信頼関係を、小泉首相は、ただ闇雲にアメリカに追従することでぶち壊してしまったのである。そしていま、人道支援の対象であるイラク人そのものから、イラクから撤退しろと突きつけられているのだ。

つまり、どんなに大儀を取り繕って「人道支援」を装っていても、当のイラク人はすでにその仮面を見破って日本人を憎み始めていることの「証拠」が、ついに表面化したともいえる。今後小泉純一郎は、諸手を上げてのアメリカ追従スタイルが、いかに大きなリスクを抱えているかに気づくにちがいない。ブッシュやシャロンは、全世界から憎まれることを知っていて、 9.11以降のブッシュ・ドクトリンによる「テロとの戦争」を世界に向かって宣言したのである。

今後アメリカは政権が変わったにしても、恐らくランド・コーポレイション等の未来絵巻に従って、世界を敵にまわす「恐怖による統治」スタイルをとっていくようである。圧倒的な軍事力と世界の資源を支配しているアメリカにとって、いまさら誰かに気を使って可愛いい娘ぶる必要がいったい何処にあるのかといった具合である。ようするにアメリカは、世界を股にかける前世紀的なバイキングのような存在に戻ろうとしているのである。

小泉首相は、日本人である私たちまで「海賊の部下」にしてしまったことを、はっきりと自覚しているのだろうか。世界を恐怖に陥れるアメリカ海賊の部下である「私たち日本人」は、これから世界の何処へ行っても憎まれることになるのである。「人道支援」というインチキの建前を維持するために、人道支援ボランティアの 3人の日本人が拘束され、生きたまま焼き殺されようとしているのである。今後いかなる事件に発展しようとも、ならず者帝国アメリカに、日本の運命をまる投げした小泉首相の責任は逃れようもない。すべては小泉純一郎の責任である。

とはいえ今回の日本人拘束事件のニュースを聞いた時、カタールの衛星テレビに送られてきたCD−ROMを使った映像等から、何となく感じた私の最初の印象は、奇妙な違和感だったように思う。つまり映像編集やTV放映を、この人質事件はあまりにも最初から意識されすぎているように思うのだ。それ故に、もしかしたらジェシカ・リンチのような救出劇が、TV放映付で行なわれる可能性もあるな、と推測しているところへ、日本人人質 3人の 24時間以内の解放のニュースが、飛び込んできた。

これですぐに解放されるのかと思っていたら、またもや妙な雲行きになってきた。 12日の朝になった今も、 3人の日本人人質がまだ解放されていない。

どうやらこの流れからいくと、このほとんど知られていない犯行グループ「サラヤ・ムジャヒディン(戦士隊)」のメディアでの表向きの政治的声明とは裏腹に、何か隠された目的や意味がある可能性が高くなってきた。声明文にはいっさい触れられていないが、おそらく日本政府から億単位のお金が、裏で身代金として犯行集団に動いたことはまちがいないと思われる。

ここでカタールの衛星テレビ、アルジャジーラが 10日に伝えた「サラヤ・アルムジャヒディン」の声明文の全文に目を通してみよう。

神の御名において

 われわれは、日本政府が拘束された3人の人質について、自国民の生命を軽んじる評価を行ったことを強い痛みを持って聞いた。これにより、われわれは、日本政府に代わって日本国民の生命を守る完全なる正当性を与えられた。日本政府は、自国民への最低限の尊重の念を持ち合わせていないようだ。いわんや、日本の首相の発言を拒否するイラク国民の生命を尊重するだろうか。われわれは、この政治家は、自国民とその意思を尊重せず、戦争犯罪者ブッシュ(米大統領)に仕えていると確信している。広島、長崎に原爆で大量殺りくを行った米国は、同じことを、いや、国際的に禁じられている爆弾によってより残虐な形で、抵抗しているファルージャに対して行っていると言っている日本の街の声にわれわれは耳を傾けた。

 われわれは、イラクの抵抗は、いかなる宗教、人種、党派に属していようとも、あるいは責任者のレベルであろうと、平和な文民の外国人を狙ったものではないということを全世界に証明するため、また、今晩、マスメディアを通じて呼び掛けを行ったイラク・イスラム聖職者協会の原則、純粋性、勇気を信頼して、また、われわれの独自の情報源を通じ、当該日本人(人質3人)は、イラクの人々を助けており、占領国への従属に汚染されていないことを確認した。彼らの家族の痛みと、この問題への日本の人々の立場にかんがみ、われわれは以下の通り決定した。

 (1)イラク・イスラム聖職者協会の要請に直ちに応え、3人の日本人を、神が望むならば、今後、24時間以内に解放する。

 (2)いまだに米国の暴虐に苦しんでいる友人たる日本の人々にイラクにいる自衛隊を撤退するよう日本政府に圧力をかけるよう求める。なぜなら自衛隊の存在は不法なものであり、米国の占領に貢献するものであるからである。

 神は偉大なり、勝利するまでジハード(聖戦)にささげる。

 ヒジュラ暦(イスラム暦)1425年サファル月19日

 西暦2004年4月10日

 サラヤ・アルムジャヒディン

(ドーハ共同)毎日新聞速報から  2004 年 4月 11日  11 時29分 (参考記事

何だかこの声明文は、日本のことをあまりにも知りすぎている感じがするのは私だけなのだろうか。それに拉致された日本人 3人、フリーカメラマン、 18歳のフリーライター、女性ボランティア活動家等の共通点は、自衛隊派遣反対の立場の人たちである。これも単なる偶然なのだろうか。私がまだ学生だった頃に活躍した日本赤軍の動きのようなものを…、つい背後の匂いとして感じてしまうのは、本当に私だけなのだろうか。

今のところ言えるのは、これだけである。

 

『終』

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