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国連決議3314による「イラク侵略国日本」 No.102003年12月7日

どこにも存在しない「非戦闘地域」

小泉首相はメディアに向かって毎日のように「テロに屈しない」とおっしゃっているが、はっきり言って意味不明の言葉である。その言葉を何度も着ているうちに、なんだか体中に寒気を感じてしまう。自分の吐いている言葉の意味を、この人は本当に理解して言っているのだろうか。それともすべて判っていて、あくまで演技的なポーズを繰り返すことで国民を騙そうとしているのだろうか。初めのうち私は、まちがいなく前者のほうだと考えて、根っからの謀略家ではないように見ていたと思う。

ところが、今回の総選挙以降、私の考え方は、すっかり変わってしまった。小泉首相はかなりしたたかなワルの政治家だということが、いろんな角度から見え始めてきた。彼に逆らう抵抗勢力の派閥を巧みに分断しながら、返す刀で、長老たちや盟友山崎拓までもバッサリと切り捨ててしまったのだ。政治家たちに最も威嚇力のあるアメリカのネオコン勢力を、小泉首相は巧みに後ろ盾にして、一気に自民党勢力地図を塗り替える画策を裏でおこなったのだ。そしてブッシュ政権を乗っ取ったネオコンの指示に従って、その首切りの穴埋めとして動かしやすく、かつ国民に人気のあるボンボン若手政治家たちを、小泉首相は、いきなり意表をつくタイミングで起用してみせたのだ。

とにかく、泉首相は「テロに屈しない」と「イラク支援は普遍」をテープレコーダーのように繰り返している。「非戦闘地域」を確定できないままの自衛隊派遣は、「イラク支援特別措置法」にすら抵触する。もともと、イラクに「非戦闘地域」など存在するはずがない。誰が考えても、もはや「イラク全土が戦闘地域」である。いや、そうじゃない。ブッシュの言う「テロ戦争」は、毎日の国際ニュースを見ればわかるように、地球全土のあらゆる場所で起こっているのである。

9.11同時多発テロ以降、ブッシュ大統領が宣言したように、テロリストが存在するところ、つまり「アメリカ国内を含むすべての国」が戦場なのである。アメリカを憎む者たちがいる場所は、いつでも戦場になる可能性がある。だから、もはや「すべての場所が戦闘地域」ということになる。米英は、安保理常任理事国5ヶ国中3ヵ国の反対決議を無視して、米英でイラクに先制攻撃をかけたわけだから、はっきり言ってアメリカは正式の「侵略国」である。

そして小泉首相は、国際法上明らかにアメリカの侵略を支持し、在日米軍基地からの「対イラク侵略行為」を認めたのである。国連総会決議3314(侵略の定義=侵略者に自国の領土を使用させれば、侵略者とみなす)により、正式に「侵略国」と規定されてしまうのだ。このことを、日本政府や小泉首相は認識しているのだろうか?

いまのイラク人にとって、「日本人」や「日本の自衛隊」は、どう言い逃れをしようと、アメリカ同様の「侵略国」であり、「侵略国の軍隊」なのである。日本の政府や日本のメディアは、このことの基本的な真実を国民に知らせようとしない。この国は、本当に民主主義国家なのだろうか?

 

日本外交官殺害の「疑惑と真相」

11月29日にイラクで起きた日本人外交官殺害事件は、日本の政治に深刻な新たな流れを生み出している。11.9総選挙で発言力を強めた公明党は、小泉首相に慎重な対応を求めている。また自民党内では、亀井静香元政調会長、古賀誠元幹事長、加藤紘一元幹事長らが「自衛隊イラク派兵反対」を強く主張し始めている。どうやらブッシュとの5.23クロフォード牧場同盟が、小泉首相を窮地に追い込み始めているようだ。

いま、イラク北部のティクリットで起きた日本人外交官2人の殺害事件に、重大疑惑が起きている。奥克彦参事官(45)と井ノ上正盛三等書記官(30)は、いったい誰に殺されたのか、ということである。イラク駐留米軍の一番最初の発表によると、「奥参事官らは売店で車を止め、食料と飲料水を買った際に狙撃された」ということだった。そしてもうひとつの説は、チグリス警察の説明で、こんな感じである。

「外交官ら3人を乗せた黒の4輪駆動車が、片道2車線の幹線道路を約100キロで走行中、追走してきた犯人の車から銃撃を受け、道路からそれて畑の中に突っ込んだ。畑の上の土にはブレーキ後はなく、運転手は車線を外れたときには、すでに致命傷を負っていたと考えられる。そして外交官の車の左側には29発の弾痕が生々しく残っていた。

また現場に居合わせた道路脇の食料品店の店主(42)は、こう証言している。

「バクダット方面から来た車が、店の手前で右に大きくカーブを切り、路肩を外れて 20メートル先の畑に突っ込むようにして止まった。ドアを開くと、3人が血の海に倒れていた。ひとりはまだ息があり、苦しいうめき声を上げていた」

この証言に従うと、「車から降りて食料品店で撃たれた」という説はありえなくなる。さらに共同通信はこう伝えている。「畑に突っ込んだ車のすぐ後から、米軍の車列が通り過ぎていった…」

はっきり言って、これは驚くべき証言である。見渡すところ何もない 4車線幹線道路で銃撃戦があったのに、米軍車両はそのまま通過してしまったことになる。しかも現地警察によると、畑に突っ込んだ車や遺留品はすべて米軍が回収したという。

さらに外務省によれば、紛失したパスポートは、後になって米軍が「地元有力者から取り返した」といって返却してきたらしい。駐留米軍の発表内容は、不自然な所だらけである。日本政府といえば、メディアに向かって福田官房長官は「テロの可能性が強い」としか語らない。なんとも米軍のつじつまの合わない発表は、いったい何を意味しているのだろうか。

  もし共同通信の配信が真実なら、まちがいなく米軍は、「日本の外交官の死を見てみぬふりをした」ことになる。殺害された 2人は、イラク北部復興支援会議に出席する途中で襲われたようだ。現場はフセインの出身地に近く、イラクの中でも最悪の場所である。翌30日には、奥参事官等が射殺された同じ幹線道路で、米軍補給部隊の隊列に反米ゲリラが大規模な攻撃を仕掛けて、激しい戦闘が行われたようだ。

なぜ、こんな場所で会議を米軍は開いたのだろうか?米軍は、自分たちが標的になることを十分知り尽くしているわけだから、もしかしたら日本の車を先行させて『おとり』にした可能性がある、という噂が立っているようだ。なぜなら、日本人外交官2人が乗っていた「黒の4輪駆動車」は、現地では米占領軍当局の要人が移動に使うことでしられているからだ。ということはテロリストたちが、2人を米軍だと思い込んで銃撃した恐れがあるということだ。そして米軍は、日本人外交官が米国人だと間違われることを承知していた可能性があるらしいのだ

さらに、こんな疑惑が関係者筋で流れている。米軍が誤って2人を殺害した、という疑惑である。もし米軍による疑惑が本当なら、駐留米軍から流れてきた「2人は売店に立ち寄り、食料と飲料水を買い求めた際に銃撃された」といったインチキ情報や、銃撃を受けた車や遺留品を米軍がすべて回収したことにも、すべて論理の道筋がつくようになる。

つまり、奥参事官等を誤射した米軍が、適当なつじつま合わせで「食料品を買おうとして、無防備な瞬間に襲われた」というもっともらしいデマをでっち上げて発表したのではないか。

そんなこんなで自衛隊のイラク派遣は、もはや何の大儀もなくなっているし、いまだに大量破壊兵器も見つかっていない。自衛隊派遣の条件である「非戦闘地域」は、現実には、どこにも存在しないのである。はっきり言って小泉首相得意の言葉だけのパフォーマンスに過ぎず、政府が法を犯して行動することは許されない。「テロに屈してはならない」という紋切り型の感情論で、国権の発動たる自衛隊の海外派兵を行ってはならない。

おそらくフランスもドイツも、日本のことを、なんて情けない芯のない国だと腹の中で思っているにちがいない。アメリカはいま、無血クーデターによってネオコンに乗っ取られ、ほとんど見境がつかなくなってきている。ブッシュ大統領をはじめとするキリスト教原理主義者を巧みに操るシオニストたちは、もしかしたらアメリカさえも使い捨てようとしているようだ。

どうやらアメリカを乗っ取ったネオコンらシオニストたちは、すでに第三次世界大戦を始めつつある。何とも嫌な方向に事態が進みはじめている。日本やアジアは、この戦争に巻き込まれてはいけない。私たち国民は、戦争を起こすことで得をする国際金融財閥たちの存在を、決して忘れてはならない。もちろん私は単純な平和論者ではない。いざという時のために、できればアメリカと共同開発ではない、自前の核を持つべきだと考えている。日本が目指すべきは経済大国ではなく、自立した当たり前の国である。

 

【主な参考文献および記事】 

(本記事をまとめるにあたり、次のような文献および記事を参照しました。ここに、それらを列記して、著者に感謝と敬意を表すると共に、読者の皆様の理解の手助けになることを願います。)

 

★ 日本外交官殺害に重大な疑惑 「日刊ゲンダイ」2003年12月3日  http://gendai.net/

•  増田俊男の『時事直言』 No222.12月1日号

 http://www.chokugen.com/opinion/frame_new.htm

 

『終』

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