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「国連」は本当に世界平和を求めているのか No.22003年8月30日

「国連」は常任理事国五カ国のための組織

日本のジャーナリズムは「国連」を何故か崇め祭っている。日本と日本人の安全と平和をまるで神のように「国連」が守ってくれているかのようである。果たして「国連」とはそんなに絵に描いたような純粋な組織なのだろうか?

もちろん幻想である。そんなふうに「国連」のことを考えているのは恐らく世界中で日本人だけなのだ。日本のジャーナリズムは、たとえば中東や北朝鮮などの紛争や民族問題が発生すると、すぐに「国連で話し合うべきだ」「国際協調は国連によって行われるべきだ」等々と決まり文句のように繰り返す。それだけ国連の国際協調を国是とするなら、国連というものの本質を正確に知る必要がある。

国連には国家のような主権はなく、権力機構でもない。国連の意思決定機構である安保理はあくまで協議の場であって、そこには意志もなければ理想もないのである。国連安保理決議には執行力は存在するが、常任理事国(アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国)の一カ国でも拒否権があったら無効である。常任理事国五カ国が拒否権を行使しない時に限って安保理は機能する。米ソの冷戦時代の間は国連は機能せず、その後アメリカ主導が続いている間は機能し、今回のイラク攻撃の場合のように米対欧が対立してしまうと、国連は再び機能しなくなる。したがって国連が機能するかどうかは安保理常任理事国のその時の力関係によって決まる。

見せかけの人格者を国連事務総長に選んで、五カ国の利害調整機関に、見せかけの安保理決議という権威を持たせているに過ぎない。国連憲章、事務総長、国連総会、安保理等々によって国家連合組織に見えるが、国連はあくまで拒否権を持つ五カ国に属する組織である。

五カ国以外の国が国連重視するということは、自らの国益を五カ国に「まる投げ」することを意味する。今回のイラク攻撃賛否について五カ国は合意に達することができずに、アメリカは決議案を取り下げ安保理は決裂したにもかかわらず、小泉首相は、かねてから国際協調を強調していたにもかかわらず、約200カ国の国連加盟国のうちたった44カ国しか支持されなかったアメリカを早々と選択した。

これは不思議なことである。そして今北朝鮮と核保有と拉致問題が様々なメディアによって毎日のように囃し立てられている。国際ジャーナリズムによって、金正日をフセインのように悪玉に仕立て上げると同時に、核兵器疑惑と拉致疑惑を巧みに操ることでマスコミ包囲網をここ数年にわたって続けてきた。

そうすることで韓国と日本に対して金正日体制の恐怖と憎悪を創造することで、将来にわたってアメリカの覇権主義を確固たるものにしようとしているのだ。それもアメリカの利己的な一部のファミリーによって、ありもしない国際世論に晒され、これからも北朝鮮が国際的な制裁を受けていけば、やがて北朝鮮が自然崩壊するか、しなくとも朝鮮半島を緊張状態にすることは可能なのだ。

アメリカ抜きで、アジア経済圏が仲良くなってともに発展するようなことがあってはならないのだ。アメリカは、この未来の大経済圏から主導権を失うことを何よりも恐れているのだ。

「国連」も「世界の軍需産業」も基本的には同じような立場にある。地球上のあちこちで国際問題や紛争が起こらなくなってしまうと、自分らの存在意義が失われて、結果的に失業してしまうことになる。だから自分たちが生きながらえるために、何としても「国際問題」を創作しなければならないのだ。情報統制国家に住む私たち日本人は、そう言った視点でものを考えないように、小さいころから社会化されてきている。物事の全体を見る思考を停止させて、与えられた意味のない知識やパーツや物だけを従順に暗記する社会化された人間を、戦後の付け刃の民主主義によって生産してきたのだ。

我われ日本人はある意味で、養鶏所の中で一列に並べられて餌を与えられて卵を毎日産み続けるニワトリのような存在と言える。はっきり言わせてもらうなら、日本は官僚独裁による全体主義国家なのだ。それらのエリート官僚を裏から金で操るのが、言わずもがなアメリカの巨大企業であり、軍需産業というわけなのだ。その軍需産業が大不況に襲われたこと自体が、そもそもの世界的な大不況を産み感染させた、最初のウイルス発生源だったのだ。

冷戦終結による世界同時不況

世紀末の不況の波は、1989年から90年にかけて始まった。危機感と不安は次第に煽られていった。「バブル崩壊」という言葉が流行となると同時に、ものすごい円高と不況の大波がやってくる。公定歩合の前代未聞の引き下げも効かない経済低迷、大失業時代の到来の噂が乱舞して雇用不安が社会現象になり始める。

その最大の原因は米ソの冷戦の終結という大事件である。その後にソ連の大崩壊となるわけだが、それに至るソ連にとって最大の経済的崩壊要因は、チェルノブイリの原発事故とアフガン侵攻があった。チェルノブイリの事故によって一気に社会の膿が噴出し、とくに農民を中心としたロシア人やウクライナ人達に発言を求めると、「クレムリンは嘘をついた」という激しい怒りの言葉によって機関銃のように飛び出してくるようになる。

事故が隠され、公式記録の嘘が暴露され、肉体と食べ物に被害が出はじめた怒りによって、ついに精神的な崩壊がはじまったのである。資本主義社会が共産主義社会を敵とする構造がなくなることによって、世界最大の基幹産業である三つの産業(原子力産業、核兵器産業、軍需産業)が、一気に崩壊し始めた。これが世界同時不況の本当の原因なのだ。

それ故にチェルノブイリ事故の大惨劇を、全世界の原子力産業が口を合わせて隠そうとしたことは今では周知の事実であり、危険を承知で原子炉を運転しようとする人間がどこの国でも存在していた。そして対立していたはずの資本主義と共産主義が連合を組む異様な実態が暴露された。

こうして原子力産業に対する疑惑と不信が広がり、資本主義社会の工業化のシステムそのものが限界にきていることを認識する地球規模での知恵と英知が求められるようになっていった。

原子力産業は、ウランなどの鉱山事業の利権を目的としてそもそも誕生したもので、そこに原爆開発と国家としての基幹産業としての性格が植えつけられたために、ウラン鉱山の閉鎖が全世界的な規模で始まると、鉱山事業の支配者であるウラン・カルテルに展望がなくなり、金属シンジケートを支配する南アフリカのアパルトヘイト等の問題が激しく動き出した。黒人の抵抗運動の指導者ネルソン・マンデラたちが牢獄から解放されたのは、南アフリカが経済的に追い詰められたからである。

一方原子力産業は、最大の土建事業でもあり、地球最大のコンクリート事業であるから、最大のマネーが絡む日本のゼネコン利権疑惑が、この原子力という不思議な暗黒の洞穴に隠されているのである。冷戦の終結によって各兵器産業も崩壊したことは間違いない。

日本では核兵器と原子力は平和と軍事で分けられているが、日本以外の外国では完全にひとつの同じ敷地に並んでいる。イギリスのウィンズケル=セラフィールド工場でも、フランスのラ・アーグ再処理工場でも、核兵器部門と原子力部門はまったく分けることができない。原爆工場イコール原子力工場である。ミサイルを製造しながら、同時に原子力産業の仮面をかぶって、92年から93年にかけて日本へのプルトニウム輸送を行ってきた。それらはすべて原爆工場から来ていたのである。

失業率を下げるための「死の戦略」

ベルリンの壁が崩壊してから2000年まで、アメリカと主要国の軍事予算を比べると、イギリス、フランス、ドイツ、日本の軍事予算すべてを合計した金額は13兆8000億〜17兆2500億円程度であるのに対して、アメリカは一国で34兆5000億円前後の予算を組み、常に4カ国合計の約2倍であった。そして戦争で収益が上がるたびに工場を拡大したために、一時的な戦争が終わるたびに苦難の失業時代が再来した。それを救済するには、外国への兵器輸出がどうしても必要不可欠になった。戦争が終わると失業率が高まり、失業率があまりにも高くなると、地球のどこかで必ず戦争が創造される。

資本主義社会において国民総生産(GNP)を上昇させて失業率を下げるためには、先進国の基幹産業である軍需産業を活性化させて、地球上の何処かで必ず戦争を起さなければならない。そういった根源的な経済システムの弱点には何故か日本のジャーナリズムは目をつむる。

そして軍事専門家と紛争現地に入ったジャーナリストたちは、これら軍需産業の兵器と武器にはほとんど触れないで、民族と宗教の違いが、あたかもどうしようもない根源的な対立であるかのような論調と言葉でもって、ひたすらメディアを通して垂れ流す。そのせいで、それが本当の原因だと錯覚し思い込んでしまった多くの民衆が、今まで生まれてこの方自分が抱いてもいなかった他の民族に対する憎しみを激しくつのらせ、どこからか供給された銃や武器を持って、いつしか殺し合いに走った。

新たな兵器市場アジア

今まで米軍が、全世界のジャーナリズムを動員して、国連の原子力機関IAEAを利用しながら行ってきた北朝鮮攻撃の数々に、拉致問題がうまいタイミングで絡んできたために、今や日本のマスコミも一緒になって北朝鮮攻撃に加担して火に油を注いでいる。長い間日本海側に頻発していた拉致問題に、まったく今まで振り向こうとしなかったのに、だ。不思議な流れだ。朝鮮半島の実態を調べてみる必要がある。

チェルノブイリ事故の直後に開かれた国連の原子力機関IAEAの総会で、議長を務め、ソ連の偽報告を全世界に認めさせたのが、スイス人のルドルフ・ロメッチだった。そのロメッチがこともあろうに88年、ドイツからパキスタンへウランなどの核物質を密輸した事件、ヨーロッパ全土を戦慄させた恐るべき核スキャンダルで逮捕されることになった。

平和利用の原子力産業が、原爆用のウランを密輸して、パキスタンでの核兵器開発を密かにおこなっていたのである。プルトニウム4キログラムを自家用車で運んでいた張本人が、国連の原子力機関IAEAの議長だったからである。このように人間が歴代の国連のIAEAの議長を務めてきたのだ。

そのロメッチが国際放射能廃棄物会議で公演していたのは、87年10月、日本の科学技術庁の招きで、東京での出来事である。その問題のIAEAが、北朝鮮の核疑惑を追及する仕事を、本当に素直に信用してよいものだろうか。国連の原子力機関IAEAの行為は不可解さに満ちている。はっきり言って「北朝鮮の核疑惑」は子供騙しみたいなものなのだ。

北朝鮮より、はるかに実戦で核兵器を一番使いそうな国は「イスラエル」であり、すでに核実験をおこなったことを認めた「パキスタン」「インド」「南アフリカ」であり、「ブラジル」のはずだ。これらの本当に危険な国を、なぜ国連のIAEAが査察をおこなわないのか。日本のメディアが北朝鮮の核兵器を問題にしながら、青森県六ヶ所村で建設中の《世界最大のプルトニウム工場》を問題にしないのはあまりにも不可解である。

ここには隠された物語がある。それはウランを地球規模で支配するロスチャイルド金属財閥の力が働いている。フランス人のゴールドシュミットが、この国連の国際機関IAEAの原料《ウラン・プルトニウム》部門を支配し、牛耳っているからである。したがってIAEA議長のゴールドシュミットに楯突くことは、誰にもできないのだ。それはパリとロンドンにあるロスチャイルド銀行にNO−と言うことになるからだ。

ようするに、ロスチャイルド銀行は金投機の胴元なのだ。

経済封鎖された北朝鮮が危機感をつのらせている政治状況を利用して、アメリカの国防総省は何かを企んでいた。93年11月、韓国がアメリカからミサイル500機を購入する、というニュースがメディアから報じられた。そして年が明けた94年1月、韓国に駐留している米軍が、突然あの湾岸戦争で話題になったパトリオット・ミサイルを配備すると発表した。それから2ヵ月後の3月21日、クリントン大統領はその配備を決定したと発表した。

その一方で、それに同調するかのようにロシアは同じ94年1月、韓国に大量殺戮用の最新兵器、ミグ戦闘機、ミサイル、攻撃用ヘリコプター、戦車等々を積極的売込みにかかった。北朝鮮で製造されてきているといわれるミサイル『労働一号』、『労働二号』を迎撃できるミサイルを買いなさい、ということらしい。

94年3月29日の朝日新聞によると、アメリカが、北朝鮮のミサイル発射場の地名に因んで命名したところ、誰かがそれと同じ読みの言葉を『労働』と書いて、『ノドン』とあててしまったもので、そもそもこの名前のミサイルが本当に実在するかどうかも確認されていなといういい加減な軍事情報に基づいて、世界中に報道がなされてきたという。

仮にそのミサイルが本当に存在したにしても、冷戦時代を戦ってきた各国の軍隊にとって、脅威であるはずがない。つまり、そういうことなのだ。世界のジャーナリズムの報道に反してイラクに大量破壊兵器がなかったように、真実はいつも目の前に存在するのに、不思議なことに、どのジャーナリズムも各種メディアもそれに気づかない。

兵器を制する者が世界を制す

アメリカの国防総省航空技術顧問会議メンバーがターゲットにしたのは、アメリカンの軍事予算だけでなく、北朝鮮や中国のありもしない脅威をレポートにまとめて、日本と台湾にNMD(米本土弾道ミサイル防衛構想:National Missile Defense Program)と同じようなミサイル撃墜システムを売り込む巨大プロジェクトが進められてきた。それがアメリカの同盟国を守ると宣伝されてきたTMD(戦略ミサイル防衛構想:Theater Missile Defense)であった。

NMD構想とは、全米50州を的の弾道ミサイルから守るための迎撃システムを建設する計画のことである。ブッシュ大統領は就任以来一貫して、この構想を進めるために世界各国に理解を求める活動を展開している。もちろんロシアは反対している。プーチン大統領は反対の理由として、1972年、アメリカと旧ソ連の二カ国間で締結した弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約をあげている。

ABM制限条約とは、大陸間弾道ミサイル(ICBM)や潜水艦発射弾道ミサイル(SLMB)を迎撃するミサイルシステム(弾道弾迎撃ミサイル)の展開を制限するため、米ソ間で締結された条約である。

この条約が足枷になっているために、2001年8月に行われた米ロ国防相会議の場において、アメリカのラムズフェルド国防長官は、このABM制限条約を「過去の遺物」だとして撤退を求めたのだが、ロシアのイワノフ国防相が反対を主張して、会談は物別れに終わっている。そしてついにブッシュ大統領は、ABM制限条約を「アメリカの時間表に従って都合のいいときに脱退する」と宣言したのだ。あまりにも一方的で傲慢な行動だが、これまでブッシュ政権が、京都議定書や包括的核実験禁止条約等の国際条約をどのように扱ってきたかを考えれば、特に驚くに値しない。

こうした状況下で、アメリカは強引にミサイル防衛システムを推進しようとしている。当然ヨーロッパも中国も、おそらく全世界の人々が反対する。その結果としてアメリカは世界から孤立していく。もちろんその同盟国もそのとばっちりを受けるに違いない。

現在アメリカはNMDと並ぶミサイル防衛システムとして、戦略ミサイル防衛構想(TMD構想:Theater Missile System)を推進している。TMD構想とは、在外米軍やアジア、中東の同盟国など、特定地域を対象とするものである。日本政府は1998年に日米共同でこのTMD構想に関する技術研究を決定し、自衛隊のイージス艦からミサイルを発射して敵のミサイルを打ち落とす研究を進めている。

アメリカは、特にアジア地域におけるTMD構想推進に力を入れており、日本及び台湾を巻き込んで、アジアでTMD網をつくろうとしている。その仮想敵国は中国であり、TMD構想が進めば進むほどアジアの緊張状態は高まってくる。はっきり言って、まだまだ中国は見掛け倒しの大国であって、アメリカが本当に恐れる理由などどこにもないのだ。

ところがアメリカは、中国の弾道ミサイルが、明日にもワシントンに向けてミサイルが飛んでくるような危機感の演出に励んでいる。アメリカは、台湾に武器供与することで中国を刺激し、中国はロシアから大量に武器を買って軍拡に精を出し、その結果として、台湾はまた武器を買うことになる。

99年5月24日、アメリカ国務省が北朝鮮の核疑惑施設の地下調査を終了し、現地を離れたその日、日本の参議院会議で日米防衛協力の指針(ガイドライン)関連法が自民、自由、公明三党の賛成多数によって可決成立した。朝鮮半島、中国、台湾海峡等の日本周辺で武力紛争が発生した場合、自衛隊が米軍への支援を可能にする極めて危険な法律が、TMD構想と同時に並行してスタートしたのである。

中国は日本と台湾のTMD参加に強く反対した。韓国の金大中大統領は「アジアの平和を考えて、日本はTMDへの参加を検討すべきである」と語った。にもかかわらず日本は、98年12月から情報収集衛星という名目で、TMD用の軍事偵察衛星4基を導入する予算をスタートしてしまい、99年には早くもアメリカ政府高官が日本に圧力をかけ、クリントン政権はTMD用ミサイル配備を前倒しすると発表し、日本が逃げないように先手を打った。

情報収集衛星は打ち上げだけで総額2000億円を軽く超え、維持費に毎年50億円がかかって、最後には5000億円を越える。しかもこの高価な衛星の寿命はわずか4年しか持たない。衛星を打ち上げれば高度な頭脳を持った数百人の監視部隊を編成して、二兆円を投入しなければならない。日本の評論家たちは、これだけの無駄金の浪費を一度も批判しないで、経済再生論ばかりを語っている。

これらのうち、イージス艦やパトリオット、主力戦闘機などは国産されてもアメリカにライセンス料を払うために、アメリカの国内価格の2倍という高価な装備を持つ羽目になる。兵器産業は、作った側が好きな値段で売ることのできるビジネスである。兵器は、危機が迫れば有り金をはたいても否応なく買わなければならない。したがって力の政策がまかり通る状況下では、ごく自然に兵器産業国が世界を支配することになる。その主導権を握りつつあるのが、アメリカとロシアであり、その営業役が「国連」ということになる。

日本人は、毎日流れ行くニュースや情報に目を閉じて、情報の裏に隠された意図を読み取るために、もっと深く思索する習慣を身に着けなければならない。そうすれば、必ず未来と希望は見えてくる。

『終』

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