「否決」された瞬間、政治を「テロとの戦争」と解釈した小泉独裁政権
No.72【2005年8月13日】
■国民の約70%が年収280万以下に転落する
郵政法案が「否決」された瞬間、小泉首相は、議会制民主主義制度を無視して、本音を剥き出しにした。小さな政府になるという「構造改革」の、聞えの良い怪しげなスローガンを武器にして、手段を選ばない「弱肉強食」の選挙態勢に強引に突入してしまった。造反議員狩りのために、最初から某広告代理店と組んで計画していたようである。私の予想は外された。
そんなわけで、これで日本はまちがいなく大きく変わる。いままで10%の金持ちと、10%の貧乏人と、残りの80%が中産階級で成り立っていた社会から、小泉・竹中コンビの唱える素敵な「構造改革」の実現で、世界一豊かだった日本の80%の中産階級が完璧に「崩壊」して、おそらく20%
~ 30%くらいに縮小してしまうと思われる。
そのかわりに、年収が280万以下の貧しい階級が一気に増えて、私たち国民の60%
~ 70%くらいを占めることになる。そして残りの10%が、金持ちのままで変化ナシである。素敵なアメリカの社会は、すでにそうなってしまっているから、アメリカ人からしてみれば、日本もそうなって当然なのである。いままでそうならなかったのが、むしろ不思議でしょうがないのである。
念願の「構造改革」が見事に達成できて小泉首相が退いた後には、消費税が20%近くになり、国民年金はナシである。何故なら、アメリカにはそんな贅沢なものは最初からない。そして徹底的に小さな政府になってしまった日本の国体には、もはやロシアや韓国や北朝鮮や中国からの恫喝に耐える軍事力も外交力もない。そして高速道路や水道や電気料金が民営化されると同時に、ほとんど外資グローバル企業に独占されてバカ高くなってしまう。
結局のところ、負け組の貧しい階級は、民間銀行の手数料が高くて、「口座」すら開設できなくなってしまうのである。もちろんインターネット接続も、その頃には寡占化が進み、少しずつ高くなり始めていると思われる。そればかりか我われ日本人は皆、「水」は無料だと思っているが、「水道局」が民営化された多くの国々においては、トイレで水を流すのも考慮しなければならないと聞いている。民営化とはそういうことなのだ。
■「民営化」は国際金融勢力のプロパガンダ
つまり民営化とは、国際金融勢力にとってのプロパガンダのひとつなのである。これは理論なんかじゃなくて、現実であり、リアリズムなのである。詳しくは以前のコラム、
見えない軍隊とその戦場 3
No. 38 、
見えない軍隊とその戦場 4
No. 46 等で詳しく紹介したので、ここでは詳しくは触れない。
郵政民営化については、時事直言の中で増田俊男氏も触れているように、「
持株会社がいったん 4 社株を放出した後、議決権確保が充分なだけ 4
社株の買戻しができる権限を持株会社に与える」にするのなら、私も賛成してもかまわない。
そしてたとえ「弱肉強食」の過激な世界になっても、私を含めた多くの日本人が、その民族的な知恵を巧みに使って変身をとげ、過酷な市場原理主義の中でも、間違いなく生き残ると信じている。
しかしそれでも間違いなく約7200万人の人たちが、勝ち組の中から、あぶれてしまう流れなのである。小泉・竹中コンビのアメリカ流の「構造改革」とは、なんとも素敵な未来図を描いてくれているのである。
■小泉首相の「靖国参拝」はナシ?
その上、私の願いに反して、小泉首相は、どうやら8月15日の「靖国参拝」はしないと決めたらしい。「靖国参拝問題」が絡むと、衆院選の争点がボケるために、造反議員に対しての「テロとの戦争」に没頭できないと考えたようである。(
参考記事 )
やれやれ
『終』
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