記事をメール配信いたします
 

日本よ、自立の時は今 No.552004年12月28日

■日本人よ、地政学に目ざめよ

私は、今まで小泉首相を激しく批難してきた。今でもその気持ちは変わらない。ところが、国際情勢の急激な変化の流れの中で、日本の未来を、その地政学的な歴史の流れに沿って冷徹に見据えてみると、小泉首相の政治力学的な手法とその方向性は、最近のアジアを取り巻くパワーバランスの変化と、その地政学的な流れを考慮すると、それなりに評価したい気持ちに、いつのまにか変わってきている。自分でもなんとも不思議で、不可解な気分である。

もちろん小泉・竹中コンビの経済再生のやり方は、相変わらず見当違いなのはまちがいないのだから…たぶん、中国の強欲で傲慢な覇権主義が、最近になってあまりにも鼻につきはじめたのと、その身勝手な覇権主義の裏側に、民主党が暗躍していることがはっきりと見えはじめたせいかもしれない。決して小泉首相の人格がよくなったわけではない。

そんな流れの中で、12月10日に閣議決定した「新防衛大綱」の内容を一読すると、占領憲法とも、丸腰憲法とも言われてきた「平和憲法」の実質的な改正である。冷戦時代の陸戦型の戦車等の重装備から、ミサイル防衛や対戦警戒やゲリラ攻撃への対処に重点が変更されている。「武器輸出三原則」もアメリカへの技術供与と輸出は全面解禁され、自衛隊の海外派遣も付随的なものではなく、「本来任務」となっている。

今後の日米は、従来の米軍後方支援追従型ではなく、日米戦略共有型に移行し、日米の軍事一体が強調されている。そして、もちろん日本の仮想敵国は中国と北朝鮮とはっきりと明記されている。ようするに、今後の戦略目標が中国になったということである。中国や北朝鮮のミサイル発射が探知されると、現地司令官の判断で数分以内でミサイルの迎撃ができるということである。沖縄の南西にある下地島には、空自一個飛行中隊とアメリカの海兵隊の一個航空団が駐留し、台湾に対する中国を牽制できる流れである。

また沖縄本島と周辺の空域で米空軍がおこなっている航空管制業務「嘉手納ラプコン(レーダー・アプローチ・コントロール)」が、07年度をめどに返還されることになったのである。つまり中国空軍が沖縄空域を侵犯したら、自衛隊が即迎撃態勢に入れる流れになったわけである。( 参考記事 1  参考記事 2)

さらに小泉内閣は、アメリカの陸海空の司令部を座間、横須賀、横田等に置くことになる在日米軍再編(トランスフォーメーション)を認め、北京オリンピックが始まる前年の2007年までには、「集団的自衛権行使」を可能にすることを公表した。2010年以降の中台戦争を踏まえて、ちょうどプレオリンピックが始まる年であり、たぶん台湾が独立宣言をする可能性が最も高い時期にピッタリとその照準が合わされているのは、少し出来過ぎの感がなきにしもあらずである。すでにアメリカの支持に従ってストーリーテリングされている臭いがプンプンである。

 

■中国の背後にはロシアが隠れている?

しかしここはブッシュ共和党政権に騙されたフリをして、アメリカ軍再編の流れに乗っていく道を選択した方が、日本の国益にとって正しい選択のようである。恐らく対米日戦略として共産中国は、最近の経済発展で調子付いているから、台湾独立を阻止する戦略の流れとして、弱体化した北朝鮮を取り込んで軍事基地化しようと動き出すにちがいない。ところがバブル崩壊後の共産中国はすでに袋のネズミで、台湾に武力行使した途端に、アメリカから徹底的な反撃を受けて大敗し、恐らく八つ位に国が分裂して、それぞれ民主化される流れになることがシナリオ化されてしまっているようである。

さらに中国の経済発展を目の上のタンコブのように感じているロシアも、その戦略を密かに待ち受けているのだ。米中戦争後のどちらも体力を消耗する瞬間を、ロシアは、虎視眈々とヨダレを垂らして待ち受けているのだ。そして最も冷徹でずる賢いロシアは、分裂して細切れになった国々の幾つかを、ロシアの支配下にするつもりにちがいないのだ。

やはり最終的にいちばん警戒しなければならないのは、マルクス原理主義(無神論)ロシアであり、極東ばかりか、ユーロ圏の内部からロシア化を図ろうと謀略を仕込んでもいるようである。私たち日本民族は、プーチンのロシアKGB帝国の、獰猛かつ残虐な本姓を忘れてはならないのだ。

 

■戦後60年間の米ソ中共同管理体制よ、さらば

 

とにかく共産中国は負け組みになることはすでに決まっているから、どうせなら日本の国家も企業も、何が正義かはともかく、とりあえず勝ち組についたほうが得策であり、アメリカ軍再編の流れに乗るほうが幸運の女神の微笑を得ることができるのである。イラクのサダム・フセインがクウェートに侵略した瞬間に、同盟国であるはずのアメリカから攻撃を受けたように、共産中国もまったく同じ運命をたどることは、もはや避けようがないのである。これはすでにシナリオ化されてしまった世界戦略といえる。

だとすれば、日本の進むべき道ははっきりしている。共産中国からミサイル攻撃を受けないようにするために、日本は、一日も早く核ミサイルを配備すべきなのである。この時のために、日本はコスト高とリスクを覚悟しながらも原子力発電をおこなってきたのである。日本の原子力技術やミサイル誘導技術は間違いなく世界のトップクラスなのだから、核ミサイルを配備する覚悟さえ決まれば、日本は世界のどの国よりも短期間で核ミサイル迎撃体制を整えることは可能なのである。

もちろん核実験などはする必要はない。実際に使うことを目的とするのではなく、あくまで心理的威嚇として核ミサイル配備を、2010年か、遅くとも2015年までには核ミサイルを保有する可能性があることを、内外に示しておくことが何よりも最優先なのである。アメリカが日本に原爆を落としたのは、その時点で日本にまだ原爆がなかったから報復の恐れがなかったのである。

もちろん、そこにはアングロサクソンのアジア人種に対する恫喝の意味も含まれていたにちがいないのだ。今後二度と原爆を投下されないためには、日本も核兵器を持ち、「核報復力」を持つ以外に手はないように思う。日本は、世界で唯一の核兵器被害国である。だからこそ、日本は自らを守るために核武装する権利が、他の何処の国よりもあるはずである。

この至極当たり前の論理を、この私以外の誰も言わないことの方が、むしろ不思議である。核兵器を配備すれば、実際に使わなくても、心理効果が大きく作用するから、国際政治上の日本の発言力は一気に高まるはずである。その結果として、今までとは比べものにならない対外的交渉力を増大させることが可能となるにちがいない。理想はともかく、現実として核の威嚇や脅しに屈してしまう国は、結局のところ、「報復力のない国」なのである。なんども繰り返すが、現実のリアルな真実とは常にそういうものなのだ。

2003年3月、チェイニー副大統領は、米NBC放送との記者会見のなかで北朝鮮の核について触れ、「日本は、核武装問題を再検討するかどうかの考慮を迫られるかもしれない」と述べ、さらに「日本の核武装論議は中国の利益にならない」とも言っているのだ。この発言は、チェイニーが共和党であるからこそ「強い日本」になることを促している発言なのである。

今までの日本は、徹底的に左派リベラル的傾向が強い民主党の考え方の影響下に置かれていて、「弱い日本」こそアメリカの利益であるといった感じで、むしろ親中体制に同調した流れがずっと続いてきていたのである。そうなのだ。戦後からずっと続いてきた占領体制というものは、本当に恐ろしいものなのである。

ようするに戦後の占領下で、日本はアメリカからの「軍事的占領」と同時に、共産中国からの自虐的な「心理的占領」に捕らわれ、さらにロシアからはマルクス原理主義による「思想的占領」を受けてがんじがらめになってきたのである。この三位一体の占領の犠牲となって、私たち日本民族は自尊自立の精神を完全に奪われてしまったのである。

そして今、共産中国の海洋軍事力が本格的に外洋化し、沖縄、尖閣諸島周辺を我が物顔に往来するようになり、北朝鮮の核査察は進展しないまま、どんなに拉致被害者ご家族等が金正日によってオチョクられ馬鹿にされても、金正日体制は日本民族の気持ちとは裏腹に、その存続をまだまだ保証され続ける流れのようである。私たち日本民族が「核報復力」を持つ覚悟をしない限り、私たちの大切な日本を、外界からの恫喝から守ることができない。そしてその結果として、日本の国内には工作員が氾濫する流れとなる。

しかし一定量の核ミサイル配備さえすれば、中国や北朝鮮からの恫喝は通用しなくなり、あとは通常兵器での侵略しかなくなる。ということは、日本列島は生き残れることになる。戦後からちょうど60年目の節目に、私たち日本民族は、平和ボケの深い眠りから目ざめるのである。2005年から私たち国民は、自立に向かって始動し始め、中ソが放った抽象的な「平和」のプロパガンダから解き放たれるのである。

 

 

《主な参考文献および記事》

(本記事をまとめるにあたり、次のような文献および記事を参照しました。ここに、それらを列記して、著者に感謝と敬意を表すると共に、読者の皆様の理解の手助けになることを願います。)

★  ウクライナと台湾〜週刊アカシックレコード 041212  佐々木敏

★  世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略 VOL30 江田島孔明

★ 増補版新悪の論理 変転する超大国のゲオポリティク 倉前盛通 (日本工業新聞社 1985)

★  片岡鉄哉のアメリカ通信 Vol.X No.148

『終』

--->記事一覧へ

この記事に対してご意見・ご感想などいただければ幸いです。news_otoshiana@chibalab.com