暴力亭主アメリカを甘やかし続ける貞淑な妻日本 No.35【2004年5月18日】
いよいよアジア共通通貨への始動
5月16日、東南アジア諸国連合(ASEAN)や日本、中国、韓国の債券市場を一元的に発信するアジア・ボンド・ウェブサイト(ABW)がスタートした。このサイトの立ち上げは、03年8月のASEANプラス3財務相会合で、日本から提案されたものである。具体的には、1》市場のインフラ(格付け、決済システムなど…)、2》法規制(監督機関、税制など…)、3》市場活動(商品構成、ベンチマーク、インデックスなど…)、4》市場データー(発行、取引情報など)―などを提供することが決まったのである。(
参考記事
A 、 参考記事B
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また同じ16日、韓国・済州島でのアジア開発銀行(ADB)総会で、谷垣財務相は、中国のGDPの伸びが9.7%に達することにも、うまくソフトランディングできるように思う、と楽観的な見方を示した。そして、その前日に行なわれたアジア開発銀行のADB年次総会の開幕冒頭では、日本人である千野忠男総裁は、アジア通貨建て債券市場の育成に関して「さらに斬新で、革新的な取り組みを検討する」と述べ、ASEANと日中韓の取り組みを支援する方針を、大スクリーンに映しだされる迫力満点の演出のなかで、大胆に強調して見せたのだ。(
参考記事
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5月4日のコラム
でも書いたように、もちろん日本がアジア共通通貨市場創設イニシアティブをとるのは、ユーロ誕生によってドルが窮地に追い込まれたことによる穴埋め策、あくまでアメリカ救済策としての苦肉のアジア統一市場創設なのである。それが日本の「大儀」である。軌道に乗ってしまえば、徐々にアメリカを切り捨てていけばいいのである。
ネオコンに操られるブッシュはもしかしたら裸の王様?
とにかくいまアメリカは、アブグレイブ刑務所のイラク人虐待映像リーク等によって「反感」と「憎悪」の情念がイラク人全体に燃え上がるようにあえて持っていくことで、イラクの「混迷」はいよいよ深まり、その戦争状態を維持することで、アメリカを支配する国際金融勢力派は、末永くイラクやサウジアラビア等のアラブ諸国を支配しようと最初から企んでいるのである。そしてユダヤ原理主義者のシャロンも、その「混乱」のドサクサに紛れて「中東和平ロードマップ」を破棄する正当性を演出し、恨みから生まれる自爆テロを口実にして、血も涙もない鋼鉄の戦車のように「領土拡大戦略」を推し進めてゆくのである。
いつもの繰り返しになるが、サウジアラビア、シリア等の中東全体が混迷を極めれば極めるほど、OPEC体制が弱体化してドル基軸通貨を復活させることができるし、テロ鎮圧という理由でアメリカ主導の軍隊を置き続けることが可能となるのである。だから、今回の虐待映像リーク等でネオコン主導のイラク民主化が失敗することで、タイミングよくラムズフェルド率いる国防省主導(CPA)から、パウエルの管轄である国務省主導にバトンタッチする。つまり7月1日、親イスラエル派のネグロポンテ駐イラク大使率いる世界最大のアメリカ大使館がその後を引き継ぐことになる。
なんのことはない、国防省主導から、国務省主導に変わっただけである。ブラヒミ国連特別顧問を表に立てることでもう一度国際コンセンサスを得て、新たなる「国連安保新決議案」を可決させようと企んでいるのである。その狙いは「イラク復興資金拠出」の更なる追加合意であり、もちろんその最大のカモは日本である。
伝統的な国際金融勢力にとっては、「国連主導」であろうが、「ネオコン主導」であろうが、「単独主義」であろうが、「多国間主義」であろうが、そんなことは、はっきり言ってどうでもいいのである。連中にとっては、「戦争」も「平和」もあくまで手段であって、単なる「アメ」と「ムチ」に過ぎない。その時々の状況の風向きでうまく使い分けることで、デジタルネットで急速に縮んでしまった地球を、とにかく支配できればそれでいいのである。ようするに伝統的な国際金融勢力にとって、「ネオコン派」や「中道派」や「新たなヨーロッパ合衆国」や「アメリカ合衆国」や「多国間主義」や「アジア共通通貨」等も、単なる手の内にあるカードのひとつに過ぎないようである。 やれやれ
足元をみられてしまいそうな小泉首相の「巻き返し作戦」
それはともかく、ブッシュ政権の弱体化の流れの中で、日本の小泉首相もかなり微妙な立場に追い込まれつつある。ブッシュ政権追従でサマワに自衛隊派遣を強行したために、いまや混迷を極めるイラクで、復興支援を口実に自衛隊をイラクに置き続ける「大儀」を失いつつある。サマワ中心部で交戦が始まったりしているために、日本の国民の目から見ても、「非戦闘地域」という大儀はどうにも通用しなくなってきている。
そこで小泉首相は、名誉回復の巻き返し戦略として、今まで放置してあった日本人拉致問題を一挙に進展させることを企んだようである。国民年金のこともあるために、小泉純一郎にとって時間は余り残されてはいないからだ。しかしそのわりには、メディアに映る小泉首相の表情は何故か明るい表情である…。
考えられるのは、ブッシュ大統領と裏で取引した可能性である。おそらくイラクに自衛隊を残し続けることで追い込まれたブッシュを支援し続けることと、馬鹿高いミサイル導入契約を約束する代わりに、小泉純一郎は、ブッシュから日本人拉致問題解決の取引を承諾させたにちがいない。そして福田官房長長官の突然の辞任は、恐らく、この裏取引に納得できない派閥上の何かが存在したと思われる。
とはいえ、金正日は相当な役者である。おそらく22日訪朝を決めた小泉首相の今の立場を正確に見抜いていて、相当な条件を突きつけてくるにちがいない。正直なところ、表向きのわずかなご褒美をエサに、信じられない額の援助金を金正日にぼったくられる可能性が高い、と私は思う。金正日に足元を見透かされて、あまりに馬鹿げた条件を飲んで拉致家族の人質問題を手打ちしてしまうと、管直人の変わりに就任したばかりの民主党党首小沢一郎を始めとする野党に、ここぞとばかりに、その弱点を突っ込まれてしまうことになる。
いま民主党は、英国・欧州やローマ法王に接近し、日本国内では立正佼成会等と連携している。自民党がアメリカのネオコン率いるキリスト教右派や公明党と組んでいることに対する、カウンターとしての民主党の動きである。5月8日付の民主党欧米訪問代表団報告によると、フイッシュジェラルド大司教は、「世界宗教者平和会議」(WCRP)等に於ける立正佼成会の庭野日敬改組を始めとした日本の宗教界の平和への取り組みを高く評価している。
今後の課題として、管代表は、党内に「国連支援議員連盟」、及び「バチカン支援議員連盟」等の設立を検討して、国連本部、バチカンとの連携を推進したいと述べている。さらに民主党の日英議員連盟が14日に発足し、会長に鳩山由紀夫、顧問に管直人、名誉会長に小沢一郎が就任し、「国連中心主義でイラク問題の解決に当たるよう働きかける」のが目的となる。小沢党首も、以前からのパイプで民主党とのつながりが深い。いまや自民党は石破・安部等のネオコン系が多く、どうやら民主党はこれから国連中心の「多国間主義」に傾いて、しだいにアメリカと同じような対立関係に向かっていくようである。
グッドタイミングな「ザルカウイによるアメリカ人処刑」
一方ブッシュ大統領の方は支持率も一気に低迷して、かなりの窮地に陥っているといえる。国際金融勢力の望んだ通りの物語の展開だとしても、ブッシュ大統領本人にしてみれば、大変な問題である。次から次とでてくるアブグレイブ刑務所でのイラク人虐待映像リークは留まるところを知らない。内輪のメディアであるフォックスニュース等ですら、なんとも積極的に虐待映像を流している始末である。
そしてそのアブグレイブ虐待映像リークで、アメリカ国民の苛立ちがまさに頂点に達したちょうどその時、最高のタイミングで5月11日、アルカイダ関連組織と見られるグループがアメリカ人ニック・バーグ(26)を斬首するビデオが、イスラム系のウェブサイトで流れたのだ。
極端に画像の悪いビデオから「ザルカウイによるアメリカ人処刑」とタイトルが流れ、バーグが「僕の名前はニック・バーグ。父の名前はマイケル、母はスーザン、デヴィッドとサラの兄弟姉妹がいる。住所はフィラデルフィア…」と述べた後、覆面をした5人の武装グループの内中央の1人が「神は偉大なり」と叫びながら、大きな刃物でバーグの頭部をノコギリのようにして切り落とし、カメラの前に掲げた。そしてそのビデオの中で「イラクの囚人への拷問・屈辱に対する報復だ」と宣言し、さらに「アメリカの兵士と妻のために、私たちは、アブグレイブの拘留者のうちの数人と、この人質を交換するために、アメリカ政府に伝えたが、連中は拒絶した。アブグレイブで虐待されたイスラムの男女の尊厳は、血による復讐以外では浮かばれない」と述べている。
アメリカ当局者は、後ろ手に縛られたバーグの死体がバクダッドで見つかったことを明らかにしたが、しかし頭がないのにすぐに断定できた理由は、もちろん述べられていない。アメリカ政府やCIAは拷問事件をめぐる批難から矛先をかわすために、アメリカ諜報機関が、ヨーロッパ人権委員会等に残酷なイスラム・アラブ世界の虐待を発表するよう圧力をかけていたところなのであった。だから、この報道が流されると、多くのアメリカ市民はホッとしたのである。そしてアルカイダやテロリストに復讐しなければならないという報復の気分が、ふたたび蘇ったのである。
バーグの家族の証言によると、バーグは小さな通信会社のオーナーで、イラクへは独力で来て働いていた。3月24日にバーグから電話があり、3月30日に家に戻る予定だと伝えた。しかしその同じ日に、モスルのチェックポイントでイラク警察によって拘束された。そして、バークはアメリカの高官に引き渡され、13日間拘束された。息子の話では、電話連絡も、弁護士と連絡することも認められなかったという。
4月5日、バークに父マイケルは、息子が不法にアメリカ軍に拘留されたとしてフィラデルフィアの連邦裁判所に起訴を起し、その翌日4月6日にバーグは解放され、バーグは虐待されていなかったと両親に伝えた。そして4月9日の家族への連絡を最後に消息を絶った。その後ザルカウイ・リンクのアルカイダに拘束されたことになるのだが、まるで予定通りアルカイダにバトンタッチしたかのような流れである。
アルジャジーラによると、ビデオに於ける男の発音のアクセントは、イラク人でもヨルダン人でもないそうであるし、ビデオに写っている出血の量があまりにも少なく、専門家の医者もインチキであると指摘しているようである。アメリカはバーグ氏の拘束を否定しているが、イラクの外交官が、Eメールで米軍が拘束していた事実を家族に伝えているのである。アメリカは、それは外交官の勘違いであると否定し、あくまでモスルのイラク警察が拘束していたとしている。
しかしCBSニュースによると、モスルの警察本部長のモハメッド少将はバーグを逮捕した覚えはないし、バーグに関することは何も知らなかったと主張している。モハメッド少将によると、現在、イラクはアメリカ占領下にある。イラク警察が、アメリカ政府の了解なしに、アメリカ人であるバーグを長期間拘束することはありえないという。
ここでもうひとつの隠された「謎」に触れてみよう。5月13日、アメリカ政府高官は、FBIが2002年にバーグを尋問したと述べたのである。そしてバーグが大学で使っていたパスワードがザカリアス・ムサウイ(ミネソタの航空学校で疑わしい活動の罪で911直前に逮捕されたアルカイダ工作員容疑者)所有のものであることをつきとめた。大学事務局は、バークとムサウイ両者の関係で、バーグをパスワード管理が無頓着な学生として退学させている。つまり大学側は、バーグをただの被害者とは考えなかったということになる。
こういったことすべてを考慮してバーグの拘束を考えるなら、大体のことに察しがつく。そもそもアジアタイムズの書いた記事によると、ザルカウイは、2003年4月下旬にアメリカの爆撃によってクルディスタンの山奥で死んだとされている。ザルカウイは義足であるために、アメリカの爆撃を逃れることができなかったようである。仮にザルカウイが生きていたにしても、ビデオに写ったふくよかな体と真っ白な手を持った男たちには、義足であるような動きはみじんも感じられなかった。
また肌の白い処刑者たちの手にはAK−47があったが、そのコピーを生産している国にイスラエルも含まれている。それにビデオの中の映像なんて、現代の技術を持ってすれば、すでに棺おけの中の死人にだって、見事なタップダンスを踊らすことも今やたやすいのである。
最後に、もうひと言付け加えるなら、このバーグの後ろに並んでいる黒づくめの武装連中は、あまりにも日本人3人人質事件の時に映っていた武装勢力連中にイメージが似ていないか?…。とにかく、アブグレイブ拷問スキャンダルで窮地に立たされたブッシュ大統領にとって、バークの処刑映像のリリースは、雨乞いによる待ちに待った慈雨の雨のようなものであったにちがいない。
世界からお金を強奪し続けなければならないアメリカの台所事情
円高介入ということを口実にして、15年度には35兆円もの米国債を買わせて税金代わりにしていた流れが16年度も続いていたのだが、その支援策がつい最近、米国工業会の激しい反対にあってできなくなってしまった。しかし、これはとても困ったことなのだ。イラクに13万人の米軍を駐留させて続けているために、年間600億ドル以上の経費がかかると見積もられていて、アメリカは総計で2000億ドル以上の経費を消耗しているのだ。
アメリカは一体どうするつもりだろうと思っている矢先に、日本の株価の急激な下落である。この3週間で、日経平均が12000円から1万円割れ寸前まで下落してきている。為替介入という資金援助がストップしたために、今度は株価の暴落を起すことで、日本の株式市場から直接資金を巻き上げようとしているのだろうか。小泉構造改革の3年間で、日本の銀行の90%は国際金融勢力に握られてしまったというのに、この上まだ何が足りないというのか…。
そんな中、またもやUFJの不良債権問題がタイミングよく浮上してきた。中央青山監査法人が引当金不足を今になって指摘し始めたようである。なんとも怪しげな動きである。やはり、ブッシュ政権は相当に手ごわい。その上、今度は小沢一郎氏の突然の「立候補辞退」の報道である…何とも目まぐるしい流れである。 やれやれ
《主な参考文献および記事》
(本記事をまとめるにあたり、次のような文献および記事を参照しました。ここに、それらを列記して、著者に感謝と敬意を表すると共に、読者の皆様の理解の手助けになることを願います。)
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Family of Berg blame Bush and Rumsfeld for son's
execution
http://inn.globalfreepress.com/modules/news/article.php?storyid=185
★
Family: E-Mail Shows
Berg Was in U.S. Custody
http://www.foxnews.com/story/0,2933,119864,00.html
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Father of Berg claims, Nick Berg met Moussaoui in 2002
http://inn.globalfreepress.com/modules/news/article.php?storyid=196
★
Reform and Regional Cooperation Key
to Maintaining Progress in Asia, Says ADB President
http://www.adb2004jeju.org/annualmeeting/Media/nr2004055.html
★
Photos show dead Iraqis, torture and rape
http://www.theage.com.au/articles/2004/05/13/1084289818093.html
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ogrish.com
http://www.ogrish.com/index2.htm
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アジア・ボンド・ウェブサイトが始動
?地域の債券市場情報を一元発信 (ブルームバーグ)
2004年5月16日(日)12時37分
http://money.www.infoseek.co.jp/MnJbn?sv=MN&pg=mn_jbntext.html&id=16bloombergjpaAp3OxUgj6NY
★
AsianBondsOnline
http://www.asianbondsonline.adb.org/regional/regional.php
『終』
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